2015年9月の一覧

頭痛

virus_zutsuu

50代女性 Hさん

 

・主訴 頭痛(側頭部痛)

若いころから少しあったが、去年(H26年)に交通事故にあい頭痛悪化。

それに加え肩頸部に痛み、凝り、腰部痛出現。整形外科、接骨院で治療を行ったが、

頸肩部痛、腰部痛は多少楽になるも、頭痛はなかなか治まらず当院を受診。

 

・中医学的な問診によるHさんの身体の状態

元々若い頃から側頭部に頭痛があり、色々な事に対して敏感であることから

ストレス(肝)が溜まりやすい傾向(気血の滞りを作りやすい)であった。

そして、交通事故によって肩頸部を流れる経絡を損傷したとともに、精神(心神)も傷つけられた。

交通事故をきっかけとし、気血の滞りが生まれ、肩頸痛、腰部痛が出現し、

側頭部に頭痛が頻繁に出現するようになった。

また、多少加齢による弱りもあったので気を上らせ、滞らせる要因の一つになったかもしれない。

 

・治療

基本的には精神(心神)とストレス(肝)に対しての治療を行った。

問診では加齢による弱りもあったが、ツボの反応はそこまで出ておらず、初診時は弱りに対する治療は行ってない。

(心兪/肝兪/百会/後渓/臨泣/太衝)に対して、ツボの状態により3~4穴使用。(片側のみ)

 

・治療効果

来院時側頭部にあった頭痛消失。

仰向けになった時に腰部の痛みを自覚していたが、治療後には痛み消失。

 

・まとめ

交通事故によって精神(心神)が傷つけられ、痛みが出現しやすい状態になっていた。

配穴としては、主に心と肝をベースにストレスや精神(心神)にアプローチするとともに、

気血の流れをスムーズにさせたことにより、改善が得られたと思う。

また、仕事などで疲れている時に、腰痛や肩こりが強くなることから、

加齢による弱りも考慮し治療していきたいと思う。

 

北辰会エキスパートコース

日曜日に大阪まで勉強会に行ってきました。

今回もとても勉強になりました。

傷寒論シリーズはとてもわかりやすく、面白い、好きな講義の一つです!

東洋医学はとても深いです!

深すぎて先が見えません!笑

・・・でも言い換えればずっと成長できる学問だともいえます!!

 

私が針灸の道に進んだのは、癌で亡くなった父の影響です。

父が癌で弱っていくのをずっと見ていて、何もできない自分がすごく悔しかったんです!!

 

今の西洋医学は基本的に病名でしか患者さんを診ていません。(すこしづつ変わってきているかもしれませんが)

しかし、東洋医学は患者さんの身体の状態を知る為に、単純な問診だけではなく、

 

・細かい問診(病気のことについてはもちろん生活環境や社会環境、過去のことなど)

・舌診(舌の状態を診て、寒熱などを診る。)

・脈診(脈の状態を診て、虚実を診る)

・腹診(お腹の状態を診て、気血の偏在などを診る。)

・ツボの状態の確認(どこの臓腑に問題があるのかを診る。)などなど、

 

患者さんの身体の状態を知る為に、上記だけではありませんが、たくさんの情報を集めます。

そうすることによって、東洋医学的に様々な病気を診ることができ、治療することができるんです!!

 

ただ、こういった病気などが診れる鍼灸師が少ないのが現実です・・・。

 

「肩が凝るから肩に針をしよう!」「頭が痛いから頸に針をしよう!」「腰が痛いから腰に針をしよう!」

 

こんな治療は東洋医学ではありません。患者さんの身体の状態を無視した、ただ痛いところに針をする治療です。

まだまだ私も勉強不足ですが、針灸をやるなら東洋医学についてもっと勉強してほしいなぁと思ってしまいます。

だから私には針が合わないという患者さんが現れるのです。

しっかりその患者さんの身体を理解していればそんなことには絶対になりません!!

患者さんの身体のことを熟知していない施術者側が未熟なんです・・・。

なぜ肩が凝るのか、頭が痛くなるのか、腰が痛くなるのか原因を突き止めることによって、

患者さんが今後起こりうる病気などもわかってくると思いますし、先手を打つことだってできます。

さらに言えば、癌にならないようにだってできるんです!

すごい医学だとは思いませんか?? 私はすごい医学だと思っています!!

最近の西洋医学の最先端技術もとてもすごいとは思いますが、

東洋医学は長い年月をかけて様々な方が築いてきた医学です。歴史が違います!!

中国や韓国、その他の海外では針灸と言うものが、とてもいい医学だと理解しているのに日本ではまだまだです。

それは施術者側などに問題がたくさんあるからなんだと思いますが・・・。

 

針灸治療院いっきゅうも難しい患者さんが増えてきています!

その患者さんたちの為にも、もっと勉強して自分の治療できる幅を広げていきたいと思います!日々精進ですね!

とりあえず今の目標は、当院に来ている患者さんすべての症状の治癒・癌や難治性の疾患にさせないことです!

一生懸命治療させていただきますっ!!

 

生意気言いました~ww 許してくださいねww おわりw

不妊症

utsu_woman

20代女性 Iさん

 

・主訴 不妊症・生理痛

3年くらい前に結婚し、なかなか子供を授からないので婦人科を受診。

卵管造影で左の卵管がつまっていると診断された。

効果があまり出なかったので、友人の紹介で当院を受診。

 

・中医学的な問診によるIさんの身体の状態。

昔からストレスをため込みやすい性格で、今現在も仕事などのストレスは多い。

ツボやその他の状態として、特に肝、胆、腎経にツボの反応差があり、

舌は赤黒く、緊張した舌で、脈は細く硬い。

他の様々な情報と照らし合わせ、ストレスから気血の滞り+血の不足もあると考え治療を行いました。

 

・治療

体の状態に合わせ、血を補う期間とストレスに対する治療を行う期間に分けて治療を行いました。

(合谷/後渓/三陰交/太渓/照海/臨泣/太衝/膈兪/肝兪/脾兪/腎兪等)ツボの状態に合わせ2~4穴使用。

 

・治療効果

(他覚的)

舌・脈のどちらも緩む。

(主観的)

肩頸の凝り緩む。

眠たくなる。

生理痛がほとんど気にならなくなる。

 

・まとめ

元々ストレスをためやすい傾向であった為、気血が滞りやすくめぐりが悪い状態であった。

さらに、慢性的なストレスにより血を暗耗し、血の不足傾向もあったため、

妊娠できる身体づくりができていなかった。

以上のことから、気血をしっかりめぐらし血を補う治療を行った事により、

ストレスが原因であった生理痛は緩解し、痛みがほぼなくなった。

これから、妊娠につなげられるよう診ていきたいと思います!

 

膝痛

roujin_ikigire_man

60代 男性 Kさん

 

・主訴 膝の痛み

H27年2月頃より膝の痛みがあり。(原因は思い当たらないが、仕事が忙しかった。)

整形では、膝の内側に骨棘ができており、それが痛みの原因だと診断された。

色々な整体・接骨院に行ったが、あまり変化が得られなかったため当院を受診。

来院当初は正座全くできず、足は引きずる状態。

痛みとしては特に膝の内側が痛む。

 

・中医学的な問診によるKさんの身体の状態

Kさんの外的所見として太りぎみで、膝の経絡経筋(ツボの流れ)に異常を起こしやすくなっている状態。

飲食不摂もあり、脾胃(膝をツボの流れが通る)に負担をかけやす状態になっている。

また、一日におけるトイレの回数が多く、夜間にも2~3回ほどトイレに起きたりすることがあり、

腎(加齢からくる弱り)にも異常が多少なりともあることが読み取れる。

現在も仕事をしているので、神経を使うことも多々あり、肝(ストレス)にも多少の異常はある。

体表観察(ツボや脈診などの確認)において一番反応が強かったのは、脾経であり、次いで腎経、肝経であった。

 

・治療

上記で述べたように、脾経のツボの反応に左右差が大きくあり、また、肝腎経のツボの反応も出ていたので

それらを考慮しながら少数の針で治療を行いました。(公孫/照海/太衝など、多くても3本のみ)

 

・治療効果

(他覚的)

可動域広がる。

舌脈ともによくなる。

(主観的)

膝のツッパリ感はあるが、正座ができるようになる。

膝が上がりやすくなった。

膝を捻るとまだ痛みがあるが、前より痛みがなくなったためか、もも裏が少し気になるようになった。

夜間のトイレの回数が減った。

 

・養生指導

食生活をバランスよくすること。

間食を控えること。

膝に大きく負かがかからないくらいに動かすこと。

 

・まとめ

基本的に膝は色々な経絡が通行しています。

どの経絡に異常があるのか、どの臓腑に異常があるのか見極めるのが大切なことだと思います。

Kさんの場合は、主に脾胃の異常から膝の痛みを生じたと考えましたが、まだ多少痛みが残っていますので、

今のところはこの治療を継続していくとともに、頻尿・夜間尿もありますので、

こちらの症状も含めて治療していきたいと思います。

 

気管支拡張症

roujin_museru_seki

60代女性 Nさん

・主訴   気管支拡張症

H15年より咳が出始める。

翌H16年に、線香の煙が充満した部屋に長時間いたことにより咳が悪化。

咳がなかなか止まらないことから、翌H17年病院で検査し、気管支拡張症と診断される。

西洋医学の治療でなかなか効果が得られないため当院を受診。

 

・中医学的な問診によるNさんの身体の状態

昔からストレスをため込んでしまう性格で様々なことに対して敏感である。

今現在もストレスはあり、色々と考えてしまうことがある(自分のことではない)。

また、加齢による弱りもある。

ツボの状態もストレス、加齢による弱りに関係のあるツボに反応が出ており、

脈診・舌診でもしっかりと反応が出ていた。

 

・治療

全体的に弱っているツボが多く、弱っているツボに対して補う針が中心。

主に肝・腎を中心に少数鍼で治療を行う。

(肝兪穴/腎兪穴/関元穴/照海穴/太衝穴など反応の大きい穴に対して治療を行う。)

打診(刺さない鍼、腹部に金の針をあてるだけ)

 

・治療効果

(他覚的)

舌・脈・腹部・ツボの反応、それぞれ良くなる。

鍼を始める時は咳が出ていたが、置鍼中は咳なし。

(主観的)

胸の苦しさが楽になり、呼吸がしやすくなった。

身体がスッとするとともにすごく眠たくなった。

 

・養生指導

できるだけ考えすぎないよう指示。

頭寒足熱(足を温めて、頭を冷やす)。

適度な散歩(木が多くある公園で無心になって)。

 

・まとめ

Nさんは慢性的なストレスと加齢による弱りによって、咳が治りにくい状態になっていると判断して治療を行

いました。結果として、今回の治療である程度楽にはなりましたが、今も続くストレス(考え事)や加齢による弱り

がありますので完治までには時間がかかる病だと思われます。

今後も様子を見ながら治療を行っていきたいと思います。

▲TOPへ