肩こりの治療には何が1番良いの?

一般的に皆さんが思われる肩こりとは、肩が硬くなった状態を指すと思います。
それでは、固まった肩にマッサージや鍼をすれば、肩こりは良くなるのでしょうか?
実は、固まってしまった肩へのマッサージや鍼治療は、一時的に良くなるだけで何も解決できていません。
肩こりになる原因は、さまざまな要因が関係しており、それらの要因を経てから肩こりになります。
そのため、肩こりを一瞬で改善したいと思っていても、根本から改善することは難しいのです。

しかし、肩こりは日常生活を送る中で、なかなか避けられないもの。
「すぐに治らないなら、肩こりはどやって改善すればいいの?」と思いますよね。

そこで今回は、肩こりの改善方法、肩こりに効果的な鍼治療について徹底紹介します。
日々肩こりに悩んでいる方、鍼治療に興味がある方は是非参考にしてくださいね。

そもそも肩こりとは?

そもそも肩こりとはどういった状態のことをいうのでしょうか?
ここからは、肩こりの原因となる肩周りの筋肉の仕組みを紹介します。

肩周りの筋肉の仕組み

まず前提として、肩や首の周りにはさまざまな筋肉が存在しています。
肩周りの筋肉には、肩甲骨の上にある「僧帽筋(ぞうぼうきん)」、首の後・肩甲骨へとつながっている「肩甲挙筋(けんこうきょきん)」などがあります。

実はひと口に「肩」といっても、これらのさまざまな筋肉の働きにより、肩や腕が動く仕組みになっています。

肩こりの原因

肩こりの原因とは?

肩こりとは、肩の筋肉や首の筋肉だけで起こっている問題ではありません。
頭部の筋肉、腕の筋肉、脇や筋肉、胸の筋肉など、身体全身の筋肉である「僧帽筋」「肩甲挙筋」などの肩周りの筋肉が硬くなっている状態を「コリ」と言い、これを一般的に肩こりと呼んでいます。

健康的な筋肉というのは通常、柔らかいものです。
これが、悪い生活習慣やストレス・疲れなどが溜まる事で、滞りが生まれ硬くなります。
硬くなった筋肉が血管やリンパ管を圧迫し、血流が悪くなってしまい、肩こりの原因になるのです。

東洋医学的に言えば、肩こりで大事なキーワードとなる言葉が ”気滞” ”瘀血” です。 
どちらも滞りを意味している言葉です。
肩こりは、これらの滞りが原因で発症します。

「不通則痛、通則不痛」・・・通ぜざれば則ち痛み、通ずれば則ち痛まず。
(気血が滞っている時は痛み、うまく気血が巡っている時は痛まない。)

「滞り」の主な原因は、実は、「血行の悪さ」なのです。
血行が悪くなってしまう原因は、下記のようなものがあげられます。

  • 長時間、首や背中が同じ姿勢の作業(事務仕事などのデスクワーク)
  • 運動不足
  • 精神的なストレス
  • 姿勢が悪い
  • 眼精疲労
  • 疲労過多
  • 加齢
  • 暴飲暴食

どれも生活をしていく中でやりがちな項目ばかりですが、これらが肩こりの原因となる「滞り」に関係するものです。
慢性的な肩こりに悩んでいる方は、一度生活習慣を見直してみるのもおすすめです。

肩こりの改善方法とは?

筋肉はいくつもの筋肉と連動しており、どこかが悪ければ他の筋肉へも影響します。
そのため、肩こりは部分的にほぐしても一時的に楽にしかならず、慢性化してしまうケースが多いです。
また、首や背中、腕など他の部位にまで痛みを引き起こすこともあります。


そのため、肩こりだけを治そうと肩のみの治療を行っても、ほとんどの場合が一時的な解決にしかなりません。
肩こりの原因は違うところにある場合がほとんどです。

ここからは、肩こりを根本から改善する効果的な方法について紹介していきます。

  • マッサージで肩こり解消

    肩こりの改善方法①マッサージ療法

    肩こりの改善方法として最も有名で身近なものが、「マッサージ療法」です。
    手技のマッサージにより、筋肉をほぐし、肩こりの原因となる滞りを改善して気血の流れを良くします。

    肩こりの多くが血行不良からきているものです。
    マッサージ療法では筋肉をほぐしの血流を改善し、筋肉の緊張をやわらげることで肩こりを緩和させます。
    経絡(ツボの通り道)の流れを改善することで、「不通則痛、通則不痛」の概念のとおり肩こりを良くすることができます。
    肩こりを根本から改善するには肩だけをマッサージするのではなく、さまざまな所から肩に影響していることを考え、様々な筋肉の緊張をほぐしていくことが大切です。

    当院でマッサージを勧める理由としては、

    • マッサージだと施術を実感・体感ができる。
    • 鍼での体質改善だと「肩こりが取れた」と感じるまで時間差がある。
      (体質に異常がある場合や当院のマッサージで凝りが取れない場合は、原因は体質改善が必要だと考え鍼治療をオススメする事があります)
    • 肩・首だけでなく身体を直接触れる事で異常を見つけやすい。

    などが挙げられます。

    一般的に肩こりへのマッサージの対処は、肩・首しかマッサージをしない院が多いです。
    しかし、肩が凝ったからと行って肩のみをマッサージしても、一時的な改善にしかなりません。
    肩こりの程度によってはきつい揉み返しがあったり、最悪の場合肩こりが悪化したりします。

    当院では身体全体を診つつ、異常のある場所を発見し、さまざまな角度からマッサージしていきます。
    直接肩を触るのは、凝りが取れたか確認する程度です。


    肩こりを取るうえで大切なのは、肩の奥の筋や硬い所を取ることでは無く、肩がこっている原因を見つけて身体全体の上下前後左右のバランスを整える事、筋肉や関節の動きを良くする事だと考えています。
    当院では、一時的なものや軽度の肩こりについては、マッサージで解消をすることをオススメする事が多いです。

  • 鍼灸で肩こり改善

    肩こりの改善方法②鍼治療

    肩こりの効果的な改善方法として、鍼治療もおすすめです。
    鍼治療は、専用の鍼を刺してツボに刺激を与える施術です。
    鍼自体は髪の毛程度の細さで痛みはそれほど感じませんが、ツボを刺激することで自律神経や免疫に作用し、気血の流れを良くして内部から肩こりを変えていくことができます。
    そのため、身体の筋肉の緊張を緩和し血液やリンパの流れを改善させる事ができ、効果的な上に免疫力もアップできます。

    当院の鍼治療ではホルモンの分泌を促して、自然治癒力を助けることを目的としています。

    当院では肩こりも他の大きな病につながる可能性もあると考えて、
    「未病治」・・・未だ病まざるを治す(病気になる前に悪い所を見つけて治す)
    の思想を大事にしています。

  • 運動で肩こりの緩和・予防

    肩こりの改善方法③運動療法

    ストレッチなどで筋肉の緊張や肩こりの改善に役立つのが運動療法です。
    肩こりに効くストレッチや日常生活の指導を行うので、効果的に生活習慣を見直すことができます。

  • 薬で肩こりの緩和

    肩こりの改善方法④薬物療法

    病院などの治療にある肩こりの改善方法として、薬物療法があります。
    肩こりに効果的な薬物療法は、「筋弛緩薬」「消炎鎮痛剤」「局所注射」などが挙げられます。


    肩こりが出ている時に、硬くなった筋肉の緊張をほぐすために使われるのが筋弛緩剤です。
    肩こりに使われる「筋弛緩剤」は効果が緩やかなものが使われます。
    ただし、これは薬物療法で、「一時的に効果を発揮するもの」や「一時的に緩和するもの」なので、肩こり解消の解決には繋がらない事が多いです。

鍼治療で肩こりは解消するの?

鍼治療は東洋医学に基づく治療法です。
東洋医学では、「身体にあるツボが経絡を介して、その先の臓器や組織とつながっている」という考え方があります。
つまり、身体の不調を改善するのにもっとも効率よく、直接的あるいは間接的にアプローチできるのがツボで、そこを鍼で刺激するのが鍼治療です。

肩こりの場合の鍼治療は、肩こりの原因をヒアリング(問診)や多面的観察で見極め、鍼治療を行うことにより、肩の過度な緊張を緩ませて体の巡りを良くしていきます。

また、鍼治療には体質改善等の効果もあるので、鍼治療を長く続けていくうちに緊張が減っていき、肩こりを感じにくくなる場合もあります。

ここからは、鍼治療が肩こりにもたらす効果について、具体的に紹介していきます。

鍼灸と肩こり

鍼治療の肩こりへの効果①ツボを刺激して血行促進

鍼治療を行うことで、その経絡(ツボの流れ)を良くし、身体の不調を改善します。
体にはさまざまなツボが存在しますが、一つ一つのツボが体の奥深くに繋がっています。そのツボを刺激することで体の巡りが良くなり、滞りが解消されます。
また、血液には酸素や栄養素を運ぶ働きがあるので、筋肉に栄養が行き届き、筋肉疲労がなくなっていくことで肩こりが改善されるのです。

鍼治療に「ツボ」を刺激する理由

経絡とは臓腑(内臓)や筋肉等を通る線路のようなものです。ツボは駅とお考え下さい。
身体の内部とつながる駅(ツボ)を刺激してあげることで、神経や細胞に作用し、それぞれが本来の働きをすることで身体の巡りが改善されます。

そうすることで、栄養や酸素の行き届いていなかったところへ必要な栄養素が行き届き、体が元気に活動し始めるのです。

鍼治療をすることで、肩こりだけでなく胃痛や胸苦しさ、頭痛、頻尿などのさまざまな病に効果を発揮できるのです。

鍼治療の肩こりへの効果②自律神経を整えて気血を促す

ストレスやホルモンのバランスなどで自律神経が乱れると気血が滞ります。
気血が滞ると、夜眠れなくなったり、足がむくんだりと様々な症状が現れるようになります。

肩こりなどの症状も、気血の滞りによって起きてしまいます。

そこで自律神経のバランスを整える手助けになるのが鍼治療です。
自律神経のバランスを整えることで肩こりも解消されますし、血行不良や睡眠不足、眼精疲労などの解消にも効果が期待できます。

まとめ

今回は、肩こりの原因や肩周りの筋肉の仕組み、具体的な肩こりの改善方法について紹介しました。
肩こりを放置していると慢性化してしまい、今よりさらに辛い症状に悩まされてしまうことも・・・。

針灸治療院いっきゅうでは、鍼やマッサージを用いて、お客様の肩こりを身体全体から改善していきます。
肩こりに悩んでいる方は、お気軽にお問い合わせください。

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